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Mystandard


Episode 06 稲垣 千佳(23区名古屋栄三越店長)

名古屋から世界に23区を発信するファッショニスタ

稲垣 千佳(いながきちか):名古屋栄三越店長。1994年、入社。23年間にわたり、23区とともに歩んできた。「SHOP BLOG」が国内外で人気となり、名古屋から世界へ発信する。
photo: Rakutaro / interview & text: Kana Yamamoto / edit: Yuki Ishida

 



23区の25周年をセレブレートする特別インタビューシリーズ「My standard 25th」。第5回目にお迎えするのは、名古屋栄三越店(以下、「栄店」)の稲垣千佳店長。23区を23年間見つめてきた彼女ならではのファッション提案は、国内のみならず海外からも大人気。竹を割ったような性格と、深い愛情に満ちた人柄が印象的でした。


 

国内外の23区ファンが注目する人気ブログの話

 

ー 稲垣さんの「SHOP BLOG」が大人気で、時には人気ランキング上位を独占される時もあると聞いています。

いつもは、オンラインショップでお買い物をしてくださっていた方が、店舗に買いに来てくれたり、姉と食事をしていた時に、テーブルについてくれたウェイターさんがブログを通して私のことを知ってくれていたりして、それには驚きましたね。これは下手なことはできないぞって(笑)。

 


着こなし方を丁寧に紹介してくれる、稲垣店長の人気ブログ。わかりやすいと好評

 

ー 海外にもファンがいらっしゃるそうですね。

中国や台湾からもお客様が来られます。ブログで見た私のコーディネートを「これを全部!」って、まるごと買っていかれる方も。定期的にいらっしゃるので、「ブログに合わせて買いたいから、もっと更新頻度を上げてほしい」とおっしゃってくださいます。台湾からのお客様もやはり、きっかけはブログだそうです。更新しないとお客様に怒られます(笑)。

ー コーディネートや着こなしのヒントといったコンテンツが特に人気ですね。ブログで発信するようになって、特に何か研究されたりしていますか?

残念ながらそういうのは特になくて。今までの延長線上で、自分が好きな組み合わせをご提案しています。あとは、「あの方には、これが似合うな」って、具体的なお客様をイメージしながら考えることも多いです。

 

 

ー 1番反響のあったコーディネートを教えてください。

正確に1番というのはわからないのですが、最近だと、冬物のグレーのニットコートに、カーディガンとパンツを合わせたものはお問い合わせが多かったですね。

ー ところで、ブログはお店で撮影されているんですよね。

ええ、店舗の脇で。スタッフに撮ってもらってるんですけど、本当に写真が苦手で…。よく目が半開きで映っています(笑)。

 

ベテラン店長が一番大切にしていること

 

ー 23区を知り尽くしているからこそできる、人気のコーディネートなのかもしれませんね。

23区は25周年を迎えましたが、稲垣さんは23区とほぼ歩みを同じくされています。23区が立ち上がって2年目の夏、春日井店から出発しました。栄店には10年ほど前に配属され、この夏から入社24年目です。もう、そんなに経つんですね(笑)。

ー ベテラン店長である稲垣さんの考える「店長の仕事」とは?

お店の雰囲気は、店長の雰囲気が反映されるものだと思います。お客様も何だか自分に似ている気がします。「店長のお客様って、店長と性格がそっくりですよね」って、よくスタッフに言われれます。

ー それは面白いお話ですね。入社3年で店長に抜擢された伝説を持つ稲垣さんですが、これまでで変わったこと、変わらないことって何でしょう?

もちろん、常にお客様が中心ですが、「お客様と私」ではなく、お店としてみんなで一緒に育っていこうって、昔も今も心がけています。私がいなくても、みんなでおもてなしができる状態であるように。それは、お客様に気持ち良くお買い物をしていただきたいから、他愛もない会話を大切にするようにしています。遊びに寄ってもらえる雰囲気作りを意識していると、売上は自然についてくるものだと学びました。

 

稲垣流「AMBIVALENT ATTITUDE」な着こなし

 


今シーズンはグレンチェックだけでなく、チェックのアイテムが豊富に揃う

 

ー この秋のテーマは「AMBIVALENT ATTITUDE」ですね。

大得意です(笑)。お客様のことを想像しながら、似合いそうなコーディネートをご用意してお待ちしています。23区の良いところは、「かっこいい雰囲気」を作ろうと思ったら、トップスを選べば、パンツでも、スカートでも全然いけちゃうんですね。いま店頭に並んでいるものは、色も組み合わせやすいですし。

ー たとえば、「グレンチェックが似合わないけど、今秋は着こなしてみたい」と思っている方にはどのような提案をされますか?

「似合わない」というのは思い込みです。似合わない人はいないです。大丈夫です! 色は合う、合わないが少しはありますが、アクセサリーとの組み合わせや着こなしで、その方に似合うスタイルが必ずあると思っています。まずは、お客様の好きなものを着てもらうようにしています。

ー その方に似合うスタイルって、簡単に分かるものですか?

勘ですが、体型、身長、ボディライン…いろんな人を見てきたのでわかるようになりました。必ず鏡の前で合わせてもらって、いろんな角度から見て、顔色が良く見える色をアドバイスしたり。ご相談しながら、オススメしていく感じですね。

 


「たとえばニットでも、店長が着た色はすぐに完売します。取り寄せして、また取り寄せて…と、通常の2~3倍は出るんです」(サブ店長・山崎由恵さん)

 

ー ぜひ、23区のお洋服を着こなすコツを伝授してください!

23区の洋服は、シンプルで生地がちゃんとしているんです。お客様も、大人っぽい感じで上品に着こなしたいと思っている方が多いですね。モノがいいと、襟にしてもちょっと触ってあげるだけできれいに立ったりする。デザインも、シンプルだけどちょっとだけ工夫があるので、どんなものに合わせられる。着こなしにしても、前身頃だけシャツを入れてゆったりとするくらいに引き出してみるとか、ちょっとの工夫でバリエーションが増えますよね。20代から最高齢は83歳まで、お客様の年齢層が広いのですが、同じシャツでも年齢の高い方にはきちっと合わせて、若い方には流行りの抜き襟の着こなしを提案しています。質の良さでいうと、お客様から「捨て時がわからない」とおっしゃっていただきます。嬉しいやら、新しいのを買ってほしいやらで(笑)。でも、自信になる言葉ですよね。私自身も、私服はほとんど23区の洋服です。デニムにシャツ、くらいのカジュアルな格好が多いですが、夏はリベコ社の麻のシャツやパンツをよく着ました。

 

いつまでも自信の持てる良いモノを

 

 

ー 23区のコンセプト「ジャパニーズ・ウィメンズ・スタンダード」に対して、稲垣さんはどういう女性像をお持ちですか?

自分の考えを持っていて、自分を律しつつも周りの人を包み込むような、オトナの女性。憧れですよね。自分もそうなれたらいいなって。

ー お休みの時はどのように過ごされていますか?

少し前まではゴルフに凝っていて、休みのたびに打ちっぱなしに通っていました。今は山登りが趣味で、御嶽山や立山に登りました。自然やきれいな景色が好き。頂上に行った人じゃないと見られない景色ってあるんですよね。あの自然を独占しているような気持ち良さ。途中では「何でこんな思いをしてまで登るんだろう」と思うのですが、登りきると「ああ、来てよかった」って。

ー 最後に、25周年を迎えた23区へのメッセージをお願いします。

「良いモノをリーズナブルに」というコンセプトは、ずっと持ち続けてほしい。それがあるからこそ、自信を持ってお客様に提案できるんです。ファッションはトレンドが付きものですが、カンクリーニ(イタリアの老舗シャツ生地メーカーで、23区では定番の素材)のシャツのような定番も大切にしていってもらえたらなと思います。

 

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