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Mystandard

Episode 14 金島千華(「Vingt-trois Flicka」デザイナー)

Vingt-trois Flicka で華やぐ日常の非日常
今シーズンからはじまる新しい挑戦

金島 千華(かねしま ちか):「FLICKA(フリッカ)」デザイナー。高校卒業後、ニューヨークへ渡米。服飾専門学校にて服作りを学ぶ。在学中より、ファッション広告プロダクションにて広告、雑誌の撮影等にたずさわる。“いつか服作りを通して、人に喜んでもらいたい”という思いが募り、帰国後の2007年春、ワンピースのブランド「FLICKA」をスタート。

 



23区の25周年をセレブレートする特別インタビューシリーズ「My standard 25th」。第14回目にお迎えするのは、ドレスで特別な日を彩るブランド「FLICKA」のデザイナー、金島千華さん。23区とのコラボライン「Vingt-trois Flicka(ヴァン トロワ フリッカ)」は、その上品なフォルムとディテールで、纏う女性をよりエレガントに引き立てます。ブランドの起ち上げにつながる、アメリカ時代のエピソードもうかがいました。


 

「素敵な女性=FLICKA」なライフスタイルを提案したい

 

ー スウェーデン語で「素敵な女性」を意味する「FLICKA」。ワンピースに特化したブランドという発想は、どのように生まれたのでしょうか?

私にとっての「ワンピース」は、子どもの頃から特別な存在でしたし、大好きなアイテムです。ちょっとしたお出かけ時に、ワンピースを着てスペシャルな気持ちになってもらいたい、という気持ちから、アイデアを磨いてワンピースのブランド「FLICKA」を2007年に起ち上げました。当初はシンプルに6型ほどのデザインのみで、デイリーにもドレッシーにも着てもらえるようなワンピースを発表しました。

ー 高校からアメリカで過ごされ、卒業後はニューヨークで服飾の勉強をされたそうですね。

そうなのですが、特にデザイナーを目指していたわけじゃないんです。常に心にあったのは「自分が作ったもので、みんなにハッピーになってもらいたい」という気持ち。自分で縫ったりする手作業が好きだったので、ニューヨークでは、オートクチュールの勉強をしていました。人を幸せにできる仕事をしたいと漠然と思いつつ、その方法が見つからないNY時代だったと思います。卒業して帰国することになり、フリーランスで活動していましたが、ある時、突然、洋服のブランドを始めよう! と閃いたんです。

ー その閃きのきっかけになったものは?

海外では、昼間と夜のTPOがはっきりしてます。たとえばディナーの時には着替えて、日中とは気分を入れ替えて出かける…という感じです。帰国して感じたのは、日本はまだそのような習慣があまり定着していないということ。だったら、そういう気分になれる洋服を作ろう!って思ったんですね。

着替えないまでも、昼間はフラットシューズと合わせて、夜はヒールに履き替えてアクセサリーを身につければスペシャルな気分になれる服。そんな服を作って、そういうライフスタイルを発信・提案しよう、と。そこから、大好きなワンピースとつながりました。

 

日常に溢れるインスピレーションから生まれる

 

 

ー 23区とのコラボレーションブランド「Vingt-trois Flicka」について教えてください。

もともと、23区のセレクトラインとしてFLICKAを取り扱っていただいていたのですが、もう少し23区に特化した、オケージョンラインでコラボレーションできないか、というご要望をいただきました。FLICKAのブランドコンセプトとも一致するので、お受けさせていただきました。4シーズンを経て、やっとお客様に支持されるデザインがつかめてきたというのが実感です。実際に売れるものって、予想していたものとは違うんですよね。やっぱり何シーズンか手がけてみて、統計的に見ていくことが必要だと思っています。

ー FLICKAとVingt-trois Flicka。どのようなところが違いますか?

23区はFLICKAに比べて、よりリアルなものを追求されていると思っています。お客様に納得して着てもらえる品質と値段を熟知されていて、上質なリアルクローズを提供されている。そこはFLICKAとは逆な部分でもあります。リアルとファンタジーの比率が異なるんだと思います。

 

 

ー 2018年の春夏シーズンの、この写真のアイテムなどはとてもリゾート感のあるデザインですね。

今シーズンから、はじめてカジュアルに寄せたラインを発表しています。綿ライクな素材で、シワになりにくく、夏休みのリゾートに持って行ってもらいたいワンピース。夏に向けた風を感じるような軽い素材で、街のリゾートでも活躍できるデザインになっています。これまでに売れたデータの統計分析から生まれた、新しい試みになります。

 

 

ー デザインのインスピレーションはどのようなところから得ているのですか?

毎シーズン、本当に悩んでいます(笑)。世の中のニーズを考えたり、自分が本当に着たい服かどうかを問いかけてみたり、かなり悩みながらデザインしています。昨年のシーズンを振り返ってみて、こういうものがあったらよかったな、と思ったところから考えたりもします。

もう、いつも「何かないかな?」と考えることが習慣になっていますね。美術館も好きで、昔は1 シーズン終わると海外に3週間滞在して、美術館にお洋服屋さん、生地屋さんを巡って吸収してました。

 


「シャネルの本は確かNYで購入したのですが、もともとクラッシックなシャネルスタイルが好きで、何度となく見ています。左のブックはピカソとフランソワーズ・ジロー(ピカソの奥さん)の展覧会の図録。この頃の作品が好きですね。この展覧会に行った際に、実際にフランソワーズ・ジローに会うことができたのが嬉しくて、大切にしている一冊です」(金島さん)

 

出産してからはそれは難しくなってしまいましたが、逆に、日常の中にもいろいろアイデアのヒントがあることに気が付きましたね。机に飾ったお花を見て、何色が今の自分に響いているのか。その色を別の場所で見かけた時にも響いたら、今シーズンはこの色を取り入れてみようとか、まわりを観察していると気になるポイントが何となくつながってくるんです。

日常生活の中で目に留まったものをメモや写真で記録しておいて、さあ、デザインをするぞ、という時に、バーっと広げて眺めます。これまでの様々なインスピレーションや、今好きなものが両軸で働いているような気がします。

ー クリエイティブはもちろんですが、ビジネスにも明るくて視野の広さに感心します。

アパレル業界はとても厳しいと感じています。すごく激しく動いています。ネットの登場で、購買導線もがらりと変わりました。作る側が同じ気持ちのままでは、買ってくれる人に置いていかれるのでは、という危機感があります。昔のようにお客様はブランドでは買わなくなり、「自分が本当に好きかどうか」で購入されると思います。いろんなことが日進月歩。そういう時代の中で、23区という大きなブランドと一緒にやらせてもらうことは、すごく勉強になりますね。

 

自立が女性を輝かせる

 

 

ー 金島さんの思い描く、理想の女性像について聞かせてください。

自分を大事にする日本女性が増えてきていると思います。ファッションも流行に流される感じでもなくなったし、多くの女性がいつまでもキレイでいたいと高い意識を持っていると思います。自分なりの軸があって、その上で選択をするようになった。そういう自立した心を持っている女性は素敵だなと思います。

私は10代の頃から、「自立」が人生のテーマの1つでした。それには、経済的にも安定していないと、心は自立できません。FLICKAを始めた時、これで生活ができるようにならないなら、結果が出ないのなら、潔くやめようと思って歩んできました。

ー それでは最後に、25周年を迎える23区にメッセージをお願いします。

25周年って本当にすごいですよね。特に、23区ディレクターの麦倉さんはデザイナーとしても大先輩で、お人柄も素敵で尊敬しています。大先輩にこれからもいろいろ教えていただきたいと思っています。

10年やってきて私なりに思うのは、ブランドとしての意思も必要ですが、時代にも合わせられるフレキシブルな自分でいられるかどうかも大事だということ。23区のように、成長を続けていけるその姿勢を見習いたいです。