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Mystandard

Episode 12 西潟和実(23区大丸札幌店店長)

若手に華をもたせたい。
情熱を注ぐのは次世代の人材育成

西潟 和実(にしがた かずみ):23区大丸札幌店店長。2004年入社。札幌西武、大丸札幌店、オンワード複合ショップ(Lサイズ)の 店長を経て、2016年の大型リニューアルに伴い、店長として現職に配属。3期連続を含め、全国予算達成優勝を5回受賞している。
photo: Rakutaro / interview & text: Kana Yamamoto / edit: Yuki Ishida

 



23区の25周年をセレブレートする特別インタビューシリーズ「My standard 25th」。第12回目にお迎えするのは、23区大丸札幌店(以下、「大丸札幌店」)の西潟和実店長。精鋭が集結してリニューアルオープンを成し遂げた、国内最大規模の23区の大型店。店長としてのマネージメントへの取り組みや、情熱を傾ける人材育成についてうかがいました。


 

雪国札幌では傘をささない!?

 

 

ー 国内でも大型店舗の大丸札幌店。とにかく広いですね。何名の方が携わっているのですか?

6〜7名のショップスタッフが在籍しています。

ー 去年リニューアルオープンされましたが、ショップのテーマを教えてください。

お客様に「いい雰囲気だね」と言っていただけるようなショップを目指しています。それには、スタッフ全員が常に笑顔でいられるような職場環境が必要だと思っているので、私がムードメイカーとなって「チーム作り」を最優先に考えています。

ー 今日も外は雪ですが、札幌の店舗ならではのファッションの特徴は?

土地柄、札幌の人は吹雪いても傘をささないんですよ。傘は雨の時だけ(笑)。通勤圏には極寒の土地もあり、ダウンのフード付きコートは必須です。トレンドを意識したセカンドコートとしては、今年はチェスターコートが人気です。雪国ならではの知恵と工夫で、おしゃれを楽しんでいます。

 


この春の新作では、フード付きブルゾンも人気。

 

ー 札幌市内を訪れる外国人の多さにびっくりしました。

大丸札幌店も例外ではなく、札幌駅直結というロケーションもあって観光客は多いですね。全体の3割程度にも上り、外国人観光客も年々増え続けています。大丸札幌店は、広さを活かした優雅な空間になっているので、初めて訪れるお客様にものんびりと過ごしていただけるように努めています。

 

20代前半で就任した店長職から学んだこと

 

ー 学生時代からファッションに興味があって、この道に入られたのですか?

母親が和装、姉が洋裁をやっていたので、幼少の頃から手作りのお洋服を着せてもらったり、姉が服飾の学校へ楽しそうに通う姿を見たりして、自然に洋服へ愛着を感じるようになったのだと思います。高校生の頃、ジーンズショップでバイトをしており、足踏みのミシンで初めて丈のお直しを経験しましたが、「あ、私には販売業務のほうが向いている」と直感しましたね。

 

 

ー それで百貨店に就職されたんですね。

入社から3年後、まだ22~23歳にして、新規オープンのショップを任されることになって。初めての店長職で、抜擢された嬉しさと感激でいっぱいだったのですが、悪戦苦闘の毎日が待ち構えていました…。

ー 弱冠22、23歳で店長ですものね。

知識や経験もなく、さらに札幌に初上陸するブランドだったため、アドバイスをくれる先輩もいなくて…。恥をかくことと失敗の連続でした。結局2年でそのショップは閉店となりました。

ー それでもアパレルの道を離れなかったのは?

悔しくて仕方なかった。でも振り返ってみると、そのおかげで23区に携わることができたんです。百貨店のキャリアゾーンに異動になり、23区に配属されました。その後、一度は家の都合で札幌を離れることになったのですが、戻ってきた時に23区で一緒だった方と市内ですれ違い、声をかけていただきました。オンワード樫山に入社するきっかけとなった偶然の再開でした。それが2004年のことです。

ー 偶然が重なって再び23区へ

「23区 L」に配属されて半年も経たないうちに店長が大丸札幌店に異動となり、そこで私に白羽の矢が立ち、店長に昇格しました。

ー 若かりし頃の苦い経験は生かされていますか?

それまでも、バブル崩壊後の百貨店で厳しい経験もたくさんしましたし、切磋琢磨してきたので勉強は十分だったと思います。今では部下を持つ立場になり、これまでの経験がすごく生きていると感じています。

 

精鋭が集まる大丸札幌店の店長の仕事とは

 


 

ー 大型店舗の店長として、「チーム作り」に力を入れているそうですが、具体的にはどのような取り組みをされているのですか?

リニューアルスタッフは、札幌市内のオンワード樫山傘下ブランドの精鋭スタッフ8人編成ということで、店長を務めるのには覚悟が要りましたね。スタッフの5人が、私を含めてはじめて初めて23区に携わるメンバーでしたし、現在、別ブランドで店長をやっているような優秀なスタッフもいるしで、戸惑いはありました。自分に、みんなをうまくまとめる力はあるのか? と。

とにかく、最初の数カ月は、密にコミュニケーションをとるように心がけました。今後うまくいくかどうかは、チームワークにかかっている。私から積極的に話しかけたり、意識的に話を聞いたりして距離感を縮めていきました。

ー 多くのスタッフを育てられ、周りからお母さんのように信頼されていると聞いています。

若手を育てて、若手に華を持たせたい。次世代の店長育成に尽力したいと思っています。新人には、基礎をしっかりと教えるようにしていて、常に言っているのは「習うより慣れろ」。「3カ月ルール」というのを設けていて、その間は一から十まで教えるので、何十回でも何百回でも聞いてほしい。「少しでも迷いがあれば、流さずに質問する」ということを徹底しています。

そして3カ月経ったら、若手が伸び伸びとチャレンジできるように方向転換します。自分が失敗してきたので、「ちょっとくらいのミスはどうってことない」と伝えたいし、失敗すると人間って成長するんですよね。だから、役割分担をして、得意なところを伸ばしていく。当店にはキャリアのあるスタッフが多いので、それぞれが培ってきた知見を共有してもらい、役割も話しながら決めていきました。

私は厳しく育てられた世代。そのトラウマもあるので、強く怒るようなことはしない、というかできないんです(笑)。ただしリーダーシップは必要で、チームを引っ張っていかなければなりません。そのためにも、言ったことは必ず実行する。そして、コミュニケーションを密にとる。見守られている、という安心感があるのは大きいと思います。

 

 

ー そんなチーム作りが、予算達成優勝3連覇という快挙につながったのでしょうか?

そうですね。それに加えてもう一つ、数字のことを理解するのも重要ですよね。私はお客様の動向を観察して分析し、ターゲットを絞り込んで販促につなげる作業がとても好きなんです。

ー マーケティングが得意なんですね。

はい。そういったことも、スタッフみんなに伝授していきたいんです。みんなで作り上げ、それを成功させた時の達成感をみんなで味わう。その繰り返しですよね。まあ、うまくいかない時はいかないんですけど(笑)。

ー プレッシャーは感じませんか?

常に平常心、それに尽きます(笑)。平常心と笑顔でやるべきことをやっていれば、結果は必ずついてくると信じています。

ー まったくブレを感じない西潟さんですが、日頃から自分のためにやっていることはありますか?

40代を迎えて、自分らしさを発見したように思います。若い頃は、あれもこれもと好奇心旺盛だったけれど、中途半端で終わってしまっていた。今は少しゆとりができたのか、休日に旅行に出かけたりしています。パワースポット巡りが好きなんですよ。つい先日も、京都で神社仏閣を巡り、四季折々の景色を楽しみました。心が癒やされて、豊かになるように感じます。年々、頭が固くなってきている自覚があるので(笑)、時代に合わせてお洋服も変化していくように、自分も変わっていかなければ、と思っています。

 

25周年記念のカンクリーニシャツにテンションアップ!

 

ー 春物がディスプレイに並び、気持ちが明るくなりますね。西潟さんのお気に入りアイテムを教えてください。

シャツが一番のお気に入りで、毎年買っています。カンクリーニとコラボレーションした25周年記念の商品は、25種類の色・型のバリエーションで展開しています。プライベートのファッションも23区が多いですね。巻物なり何なり、必ずどこかに23区のアイテムを取り入れています。アウターに関しては、絶対に23区! と決めています。着心地もサイズ感もとても良いんです。シンプルだけど、トレンドが盛り込まれていて。つい、毎年買ってしまうんです。

 


西潟さんもお気に入りのカンクリーニのシャツ。25周年記念の商品は色・型合わせて25種類の豊富な品揃え。

 

ー 25周年を迎える23区にメッセージをお願いします。

入社当時から16年にわたって通ってくださっているお客様がいるのですが、23区と一緒に年を重ねられているんですよね。お客様のニーズや、トレンドは常に変わっていくものですが、上品さや良質さといった“23区らしさ”が変わらずに愛されていると感じます。これからも、世代を越えて、時代を越えて、お客様とともに歩んでいければいいなと思っています。私自身も、同世代のお客様のお手本になれるようにがんばっていきたいと思います。

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