Mystandard

Episode 10 木村友紀(23区藤崎店長)

笑顔とチャレンジ精神で“一瞬”懸命。
はたらくを楽しむワーキングママ

木村友紀(きむらゆき):23区藤崎店長。1997年入社。入社3年目に23区藤崎店に配属され、2005年に同店副店長、2016年3月に店長に就任。
photo: Rakutaro / interview & text: Kana Yamamoto / edit: Yuki Ishida

 



23区の25周年をセレブレートする特別インタビューシリーズ「My standard 25th」。第10回目にお迎えするのは、仙台より23区藤崎店の木村友紀店長をお迎えします。藤崎店は木村さんをはじめ5人中3名がワーキングママ。仕事と育児を両立させるためにどんな働き方の工夫があるのでしょうか。


 

似合わない色はないんです

 

ー ショートヘアがお似合いですね。23区の2017秋冬のテーマ「アンビバレントアティチュード」な装いが素敵です。

ありがとうございます。2017秋冬のテーマは得意分野なんです(笑)。学生時代から洋服が大好きで、古着や色や柄で遊んでいました。

ー 上手く着こなせない色ってありますよね。色を味方につけるにはどうすればいいのでしょうか?

例えば「挑戦したいけど似合わなそうな色」がオレンジ系だった場合、パンツにその色を持ってきて、相性のいいベーシックなカラーのニットを選ぶといいと思います。合わせる色味で自分にピタッとくる組み合わせがあるので、いろいろ試してみてくださいね。

 

 

長く通っていただいているお客様がいるのですが、その方と仲良くなったのも「色」がきっかけだったんです。ある色が似合わないとおっしゃっていたのですが、同じトーンでのコーディネートをご提案したところ、とてもお似合いでしたし、お客様にも気に入っていただけました。

それから15年間、岩手県から来てくださって、来店された時はいつも、2人で大笑いしながら楽しく過ごさせてもらっています。先日、当時は小学生だったその方のお嬢様が社会人になられ、お母様の誕生日にプレゼントを選んでほしいと来店されました。すごく嬉しかったです。ブラウスを2人で選んで差し上げたのですが、とても喜んでいただけました。

ー 木村さんも同じような体験をされているとか?

23区に配属された当初、私は髪もすごく短いし、全然、23区の洋服を着こなせていないなと思っていました。制服感覚で着ていました。でも、前店長の小野(久美)と仕事をしているうちに、だんだんと自分にも似合うものがあるって気づかせてもらったんです。今ではプライベートでも着ていて、それこそ、23区が“My standard”になってきました。

 

震災を経て。お客様は人生の先輩であり先生

 

 

ー 入社してから20年、そのうちの15年間を23区で働いていらっしゃる木村さん。間にはご出産もされました。その歴史の中で、改めて「23区で働いていこう」と思った瞬間はありましたか?

産休明けの1年後に戻ってきた時に、「なんて素敵なんだ!」って感動したんです。すべてがキラキラして見えました。働いている人も、お洋服もキラキラしている。23区を改めて好きになった瞬間でした。あの感動を思い出すと、今でも泣きそうです。昔から涙もろくて(笑)。

 

 

ー 接客の時も「笑いあり涙あり」とうかがっています。

売り場で泣いてしまうこともありますね。私たちは東日本大震災を経験しているので、お客様の経験されたお話を聞いているうちに気持ちが一体化してしまったり、私も自宅が被害に遭っているので、お互いにつらい思い出が蘇ってきたりすることも。ある時、「○○の定番はお持ちですよね?」と何気なく言ってしまったのですが、その方は津波の被害に遭われて、持っていたものを全部失っていたんです。後にそのお客様から「あの言葉で辛い記憶が蘇って悲しい気持ちになった」と指摘していただいたことで、「ああ、そうだな。ちょっとした一言で誰かを傷つけるかもしれない」と肝に命じました。

どんな時でもお客様に寄り添い、つらさも楽しさも共有しながら接客させていただいている感じはあります。お客様は、私にとっては人生の先輩であり先生でもある。同年代のお客様の場合は、友達と言ったら違うけれど、恋人? みたいな感じでしょうか(笑)。元気をいただくだけでなく、悩みを聞いてくださったり励まされたり。私自身が本当に助けられていると感じています。

 

 

ー 初対面のお客様とも心を通わせる秘訣があれば教えてください。

「笑い」でしょうか。ボケとツッコミのような笑いではないのですが、「間」だったり、会話の空気を作ったり、ということでしょうか。初めてのお客様でもエスカレーター前までお見送りをさせていただいていますが、よくスタッフから「全然戻ってこない」と言われます(笑)。

私は決して話上手ではないので、自分の気持ちを盛り上げていくようにしています。売り場に立つ以上は、沈んでいてはいけない。朝、鏡の前で「うん! よし!」って気合いを入れたり、「大好き大好き」って言ったり。それもお客様に教えてもらった方法です。店長になってからは特に意識していますね。

 

はたらくみんなが大きな家族。ワーキングママの働き術

 

 

ー 藤崎店のスタッフは、5人中3名がワーキングママだそうですね。仕事と育児を両立するための工夫があれば教えてください。

一緒に働くスタイリストを大切にすることは、そのご家族をも大切にするということだと考えています。定休日に家族ぐるみで食事をしたり、売り場にご家族の方が遊びにいらしたり、積極的にコミュニケーションをとっています。一緒に働く仲間なんですけど、その枠を超えた姉妹のような、いつも助け合える関係。仕事を持つ母親という状況では、急なシフト調整が必要になることもありますが、子どものいないスタッフとも日頃のコミュニケーションによって協力し合える環境になっていると思います。

ママ同士だけでなく、みんなが納得して「代わりに私ががんばろう」というモチベーションがあるって、とても大事だと思うんです。「なんでいつも私ばかり?」という気持ちになるスタッフがいない。そういう文化を、前の店長が築いてきてくれたんです。

ー チームで共有しているビジョンはありますか?

「楽しく働こう」ですね。緊張感もある楽しさ。楽しくない職場だと、接客される側も楽しくないと思うんです。最近、お客様に「ここの売り場はみんな笑顔で楽しそう。だから賑わっているのね」とおっしゃっていただいて。それを聞いて、私はまた感動するんですけど(笑)。そんな雰囲気を作るためにも、何事もポジティブな側面を見るようにしています。同じことでも、自分の視点を変えるだけでネガティブな印象から抜け出せる。仕事だけでなく、私生活でも意識していることです。

 

チャーミングとカッコよさ。理想は柔軟で多面的な女性

 

ー 木村さんにとって理想の女性像は?

ジェーン・バーキンの着こなしはとっても好きです。チャーミングでカッコいい、女性の多面的な美しさを感じます。その時その時で、柔軟に何でも受け入れてプラスにできるような人。洋服でも「私はこれしか似合わない」とか「スカートなんて履けない」と言う前に、とりあえず挑戦してみる。それによって自分を高められるような女性になりたいですね。

 


モエスマー社(Moessmer)のコート

 

ー 23区のお気に入りアイテムを教えてください。

アウターです! 冬はもちろん、春物や夏にかけての羽織も好きです。2017年の秋冬シーズンだと、モエスマー社(Moessmer)のコートも素敵ですね。アウターは全部好き。プライベートでも愛用しているので、自信を持ってその良さをお客様にお伝えできるんです。

ー 25周年を迎えた23区にメッセージを!

これからも一緒に年をとっていきたいですね! 自分をアップデートしながらついていきます。